
監視エリアはとても広く、
3つの谷を同時に監視する必要のある現場でした。
まずはとにかくそれぞれの谷の監視したい箇所に土石流ワイヤーセンサーを設置・・・そこまではいいのですが、
問題はこれが作動した際どうやって遥か下流の現場事務所まで知らせるかでした。
というのも、以前より紹介させていただいている「ソーラー式無線警報システム」を利用するとしてもエリアがあまりに広すぎるため、
通常の送信機~受信機間の無線到達距離が足りないのでした。
このシステムには「中継機」というものが存在し、
まあこれを使用すれば無線の距離はクリアします。
ですがやみくもにこれを使用してしまっては無駄なコストが発生してしまう・・・。
それを解決するために行った技、
それは、「中継機から中継機への谷越え合流」でした。
簡単に言えば無線信号を普通に谷沿いに下流に送るのではなく、中継機から隣の谷の中継機に無線を飛ばし合流、
そして一気に現場事務所に送るというやり方です。
この方法のおかげでムダのない、
もちろんお客様のご要望に沿ったシステムが完成しました。
ちなみに設置前には、
試験機を片手に谷や登山道を歩き回って設置場所を特定する無線電波試験作業を行っています。
この苦労があるからこそ、システムが完成したときの喜びは大きいのです。

複数個所に配置した警報装置+受信機。
三脚に一体にしていますので持ち運びが簡単です。

今回のシステムの肝といえる中継機。
下を見下ろすと目のくらむ高さ!
谷越えは、有線式ではまず無理だと思います・・・。
谷越えは、有線式ではまず無理だと思います・・・。

現場事務所から遥か上流に位置する砂防堰堤に設置した土石流センサー。
ガッチリ設置しています。